なぜキーワードなのか？

現代はネット社会であり、検索の時代です。何か行動を起こそうとしようとした時、まずキーワードを使ってインターネットで検索します。これはキーワードという言葉が商品やサービス、企業や人を繋げていることを示しています。シンプルに考えれば、すべてのものがキーワードで繋がっているということになります。

一方、生成AIの登場により、文章だけではなく画像や音楽までもAIで作成できるようになりました。仕事の自動化が増えるに従い、人間は考える必要がない環境になっていきます。自分で考えることのできない人が増えていくのは確実です。「AIで作りましたから大丈夫です」という言い訳がすでに聞こえてきています。

では、考える必要のない社会で考える必要は果たしてあるのでしょうか？

その答えとしては、「どちらでもいい」ということになります。考えたい人だけが考える社会になっていくことでしょう。

AIはすでに7割の分野で人の能力を超えていると見ています。まだしばらくAIが超せないものは職人の器用さ、芸術的なものぐらいです。職人の器用さはセンサーやモーターがもう1世紀分発展しないと難しいでしょう。音楽、文芸の面では人間の飽きるという感情との戦いがあります。これを満たすには人間による発想が不可欠です。AIではまだしばらく超えられそうにありません。ただ、9割の仕事は近いうちに全てが自動化されることでしょう。考える必要のない社会の到来です。

ここで改めて「考えるとは何か？」と問いたいと思います。

考える必要のない社会となったときに「仕事のために考える」ということから「人生を楽しむために考える」ということに変わっていきます。好きなことを好きなだけ思いっ切りやる。そのためにAIに示されたままやるのではなく、自分で考えて、納得してやることが人生を豊かにしてくるようになります。

また、考えなくていい環境にしばらく身を置くと、AIの示したものすら理解できなくなる人が出てきます。AIの言葉を理解するために国語を習わなければいけなくなるかもしれません。

人生を楽しむために考えるようになると、考えたことによって「自分で選択する」ということがより一層重きを持ちます。自分で情報を集める、自分で情報を整理する、自分で結論を組み立てる、その中心にあるものはやはりキーワードです。すべてがキーワードで繋がっています。AIによる全自動化社会、考える必要のない社会となったとき、キーワードで考えるスキルがあることによって、人生をより色鮮やかなものしてくれることでしょう。