キーワードとは何か?検索の時代を乗り越えていく。

これから、みなさまと一緒にキーワードについて学んでいきたいと思います。
ナビゲーターの きわど郎太 と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

この研究室では日頃から使っているキーワードに着目し、ビジネスに役立つ方法を研究していきます。また、そこで得られた知見を成果としてご案内いたします。

現代はネット社会であり、検索の時代です。何か行動を起こそうとしようとした時、まずキーワードを使ってインターネットで検索します。これはキーワードという言葉が商品やサービス、企業や人を繋げていることを示しています。シンプルに考えれば、すべてのものがキーワードで繋がっているということになります。

AI(人工知能)が実用的となり、身近なものとなってきました。文脈の判断はまだ時間がかかりますが、キーワードで判断することは可能となりつつあります。人間の思考パターンもよく観察すると脳内では単語というキーワードで思考しています。人間は文脈に関係なく特定の言葉に反応します。文脈に関係なく、急に怒りだす人を思い出せばよくおわかりいただけるでしょう。

ビジネスにおいても、企画書、パンフレット、メールなど、様々な場面でキーワードを使います。中期経営計画、経営戦略、ビジネスモデルも数値データを裏付けとして用意しつつ、全て言葉で作られます。顧客、社員、関係会社とのコミュニケーションを円滑にするものとして、キーワードが重要なツールとなります。

単に記憶やキャッチコピーとしてキーワードを使うだけではなく、キーワードが人間の思考に及ぼす影響を鑑みながら、どのようにすれば正しく伝わるのか、どのように考えれば社会に付加価値の高いものを提供できるのか、これらのキーワードのあり方について研究を進めて参りたいと考えています。これがキーワード学と銘打った理由です。本研究がみなさまのお役に立てれば幸いです。

 

 

1.キーワードとは?

そもそもキーワードとは一体何なのでしょうか?キーワードで覚える何々とか、今日のキーワード、キーワードのランキングなど、キーワードという言葉を日々の生活でも使っています。
まず最初にキーワードの定義から考えていくことにしましょう。

 

(1)検索の時代

買い物、動画、音楽、ビジネス、なんでもネットで検索します。スマートフォンが普及した今では、手のひらから世界中の情報にアクセスできます。予測変換の機能も手伝って、欲しい情報に辿り着くまで3フリックもあれば十分です。

検索エンジンは指定したキーワードによって大量な情報の中から、欲しい情報をピックアップしてくれます。これはキーワードを起点に情報のネットワークが構成されていることを示しています。全てのものがキーワードで繋がっているということになります。

そして、SNSなど誰でも簡単に情報を発信できるようになりました。その信憑性には差があり、正確な情報を判断する力が求められています。

また、ITの進化とともに、経営手法も大きく変化しています。WEBマーケティングのようにキーワードを軸に戦略を検討する場面も出てきています。同様に商品開発においてもSNSのキーワード分析や特許のキーワード分析が広がりつつあります。

企業も個人も大量の情報の中から正確な情報を判断し、ITの手軽さと速さを活用して社会に貢献していくことがが求められる時代となりました。キーワードがその一役を担っています。

 

検索の時代のポイント
  • 全てのものがキーワードで繋がっている
  • 正確な情報を判断する力が求められている
  • キーワードを中心に経営やビジネスを考える機会が増えている

 

(2)キーワードの要素

短い言葉で1センテンスを表したもので、主に単語です。

 

(3)キーワードとキャッチコピー

キーワードとよく似たものにキャッチコピーがあります。キャッチコピーは広告やプロモーションで使われます。商品やサービスに関心を示してもらうために単語または短い文で表現した言葉です。

キーワードはプロモーション以外にもあらゆる場面で使える単語や短い文です。経営ビジョン、ドメイン、スローガン、企画書などにも使われます。

わかりやすいようにもう少し定義を明確にしていきましょう。

 

キーワードの定義
  • 機能、性質、状態を表したもの。
  • 単語または単語の組み合わせ。
  • 単語自体が価値を保有している。
  • ものごとを調べるための手がかりとなる言葉。

 

キャッチコピーの定義
  • 商品・サービスの広告宣伝が目的。
  • 単語または短文。
  • 感情や行動を導くために注目を集めようと工夫したもの。
  • 売上や問い合わせなどにより価値が評価される。

 

また、キーワードとキャッチコピーの中間も存在します。厳密に分けられないことも多いでしょう。そこで、この研究ではキーワードの概念にキャッチコピーを含めて説明していこうと考えています。

 

(4)ビジネスにキーワードを使う

キーワードは広告以外にも戦略設計や文章作成に大変役立ちます。複雑なものをシンプルにすることができ、思考を整理する効果が発生します。具体的には次の場面で使われています。

 

キーワードが使われる場面
  • 広告宣伝(チラシ、パンフレット、DM、ホームページ、LP)
  • 方針、目標、ビジョン、スローガン
  • 戦略構築(経営戦略、事業戦略、商品戦略)
  • 課題分析(問題解決)
  • 文章作成(IR、広報、通達、社内報)
  • 人事制度(評価項目と定義、育成)

 

キーワードを軸に考えると下記の図のようにプロットできます。

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(5)キーワードの効果

キーワードの効果には以下のようにプラスの効果が多くあります。

 

キーワードの効果
  • わかりやすい、理解を早める
  • 良い印象を与える
  • 興味を引く
  • 複雑なものがシンプルになる
  • ブランド力を上げる

 

しかし、キーワードの設定を失敗したときには大きなマイナス効果が発生します。

キーワードの設定を失敗した場合
  •  すべてがマイナスに映る
  •  品がなく見える
  •  反対意見が噴出する(SNSの炎上)

 

(6)良いキーワードとは?

それでは良いキーワードはどのようなものか考えてみましょう。

 
良いキーワードの効果
  • 文句を言うところがない、すんなり受け入れられる
  • 意図が伝わる、良い印象を持つ
  • 行動に繋がる(問合せ、申込、購入)
  • 売上が継続的に上がる(一瞬ではない)

 

発信した情報がプラスの印象として伝わり、行動を促進するもの。ということになります。
さらに言及するならば「目的を達成できるもの」が良いキーワードということです。

 

あわせて、炎上商法は是か非か考えてみましょう。理想的とは言い難いものの、目的が達成できるなら選択肢としてありです。しかし、反感が生まれるため長くは持たない。最初は新しい刺激に満足するかもしれませんが、中身がないためすぐに飽きられます。ただし、バーゲンセールのようなキャンペーンはうまく使えば良い効果をもたらします。

  • 典型的な事例:動画配信「●●●してみました」
  • 大丈夫な事例:今なら20%オフ!今月末まで!

 

(7)良いキーワードの要素 

良いキーワードはたった一言で相手に意図が伝わります。そのために必要な要素を確認していきましょう。

 

良いキーワードの要素
  • 誰でもわかる言葉を選ぶ
  • プラスのイメージの言葉を選ぶ
  • 漢字は連続3文字まで
  • 意味の重複をさける
  • 二重否定を使わない

 

・誰でもわかる言葉を選ぶ

意味を理解しなければ人は動きません。相手が多ければ理解度に差がでます。思いを伝えたいときほど、誰でもわかる言葉を選びましょう。

最近、SDGsやDXという言葉が出てきました。グローバル社会ではOKですが、キーワードの観点で見るとNGです。何のことだかさっぱりわかりません。伝わらないので取り組もうという人は少なくなります。サブタイトルや説明書きを一言添えるなど工夫が必要です。

(参考)
SDGs:Sustainable Development Goalsの略。意味は持続可能な開発目標。
DX:Digital Transformationの略。意味はデジタル化を促進し、ビジネスや生活をより便利に変えること。英語圏でTransがXと略すためDXとなっている。
SDGsもDXも概念のため非常にわかりにくいと思います。DXについてはXが2回も略されているため余計にわからないでしょう。さらに「DX◯◯」のように商品名にまでつけると意味が伝わらなくなります。ご注意ください。


・プラスのイメージの言葉を選ぶ

プラスの言葉、ポジティブな言葉は相手が受け取りやすくなります。
受け取りやすい言葉は相手の行動につながります。

 

プラスのイメージの言葉
  • うれしい、楽しい、できる、可能性など

 

・漢字は連続3文字まで

漢字を連続して表記する場合、3文字以内にします
4文字以上の場合は分割して読みやすくします。
読みやすくすることによって、相手が確実に理解できるようになります。
4文字の漢字でも知名度の高い言葉は問題ありません。
しかし、漢字4文字が2回続くと読む気がなくなるので注意してください。

 

漢字3文字以内の例          積極的、責任感、社会性、可能性、好印象など

 

4文字以上の漢字を分割した例
  • 重点項目目標 → 重要な目標
  • 持続可能   → 持続が可能な
  • 他者依存   → 他者に依存

 

4文字以上の漢字でも良い例  限定商品、集合住宅、開催日程、運営事務局、〜以上、〜以内など

 

その他に、英語のほうが知られているものは、そのままでかまいません。
例:中央演算処理装置・・・これは「CPU」で十分伝わります。

 


・意味の重複をさける

言葉は違っていても意味が重なる場合や似ている場合があります。
重複した部分を削り、すっきりとさせます。

意味が重複している例
  • 食事食べに行く → 食事に行く
  • 50%程度   → 約50%または50%程度

 

なお、主語が異なる場合は重複してもかまいません。

重複しても良い例

「電車が遅延したので遅れた」

これは「電車が遅延したので私は遅れた」という意味ですので重複しても問題ありません。

 

重複を避け、表現をすっきりさせることで相手の理解を促進させます。


・二重否定を使わない

良いものを「悪くはない」、多いものを「少なくない」と表現することがあります。表現したいことと反対の言葉を使い、否定の「ない」をつける表現方法です。この二重否定は人間の思考を阻害します。脳が「あれ、どっちだっけ」というエラーを起こしてしまいます。キーワードは素直に表現したほうが伝わります。

 

二重否定の例
  • 悪くはない・良くはない
  • 多くない・少なくない
  • 遅くない・早くない

 

キーワードはシンプルで素直な表現が適しています。相手に理解してもらうことを意識して使いましょう。

 

(8)プロモーションにおける理想的なキーワード

文句を言うところがない。すんなり受け入れられる。メッセージがちゃんと届く。
これが良いキーワードの条件です。 参照(6)良いキーワードとは?

それではプロモーションの場面ではいかがでしょうか。購入となると支払いが発生します。
顧客は欲しいものしか購入しません。

良い商品・サービスであることを前提として、その良さを正しく伝え、購入意欲に働きかけることが必要です。そのためにも顧客の気持ちや心に届くように言葉を考えます。

言葉を上手に組み合わせて、相手の心に届く状態にします。
これができたときに理想的なキーワードとなります。

 

理想的なキーワードのポイント
  • 言葉を組み合わせて、届く状態にする。

 

(9)キーワードを作るときの条件

日本人は古来から言葉遊びが好きな民族です。造語、横文字、ギャル語など、子供から大人まで言葉の表現を楽しんでいます。たった1年を振り返ってみても、新しい言葉が次々と生まれています。言葉の世界では常にイノベーションが起きているとも言えます。

当然、ビジネスの場面でも新しい言葉を使いたくなります。オリジナルの言葉も生み出したくなる人もいます。ここで問題となるのが、その表現が伝わるかどうかということです。新しい言葉ですから説明しないと伝わりません。察しのいい相手なら伝わるかもしれませんが、広く伝えることは難しいと考えてください。

また、ビジネスにおいてはプライベートと異なり、常識や品があることが大前提です。プロモーションでは、この大前提を守りつつ、受けがいい表現、面白い表現が求められます。社内向けにはモチベーションや共感という要素も必要になるでしょう。

それでは、キーワードを作るときの条件を見ていきたいと思います。

 

キーワードを作るときの条件
  • 意味が伝わること
  • 覚えやすいこと
  • 語呂がいいこと(拍子が良い)

 

・意味が伝わること

キーワードを伝えたときに、こちらのイメージが相手も想像できるかを確認します。
相手の立場でものを考えるとイメージができるでしょう。

 

・覚えやすいこと

覚えられない言葉は相手が動きません。少しは動くかもしれませんが途中でフェィドアウトしていきます。
商品の場合は購買意欲が下がります。消臭剤のテレビCMや消費財に面白いネーミングをつける理由はここにあります。

 

・語呂がいいこと(拍子が良い) 

リズムが良いものは口に出したくなります。その内容が面白ければ、1日中言い続けるなんてこともあるでしょう。また、「あけおめ」「エンタメ」など、冒頭の言葉を繋げて略すことがあります。この略した言葉も語呂がいいと浸透しやすくなります。

 

※注意点

売れていない商品をPRするときに、言い回しだけを変えて良く見せようとします。
しかし、中身が同じなので顧客の関心は増えません。
違う使い方を提案するなど、新しい概念を盛り込む工夫が必要です。

その上でキーワードを設定します。

 

(10)社名や商品名は典型的なキーワード

社名や商品名は相手に自分が何者であるか、どんな商品であるかを一言で伝えるための名称です。キーワードそのものと言えます。
そして、3文字の名称は発音しやすい、覚えやすく、語呂がいい、心に響きやすいという強みがあります。

 

3文字の社名・商品名の例
  • 発音しやすく覚えやすい:マッ◯、松◯、てん◯
  • 覚えやすくて語呂が良い:味の◯、消臭◯

 

社名、商品名は横文字で◯◯テクノロジー、◯◯ソリューションという表現もかっこよくていいのですが、差別化、浸透のしやすさ、電話やメールの効率性という面でもシンプルで馴染みやすいものをお勧めいたします。

 

(11)特殊なキーワードを使いたい場合

意味が伝わること、覚えやすいこと、語呂がいいことがキーワードを作る条件です。しかし、新しい概念は聴き慣れない言葉で伝えなければいけないときがあります。必然的に意味の伝達が難しくなります。
また、どうしても使いたい言葉があるなど、こだわりの表現もあるかと思います。

特殊なキーワードを使うポイントを解説しますので、状況にあわせて検討ください。

 

特殊なキーワードのポイントと例
  • 意味が不明なものは説明書きを添える
    例:Kiwadoオンライン キーワードで学ぶオンライン講座
  • 略した言葉は元の言葉を併記する
    例:VR バーチャル・リアリティ
  • 読み方が難しいものはフリガナを併記する
    例:鮪(まぐろ)

 

意味が不明なものに説明書きを添える方法は、サブタイトル、サブキャッチのような使い方です。そのままキャッチコピーとしても使えます。

略した言葉は元の意味を併記すると意味が伝わります。いずれその略称が認識されることになるでしょう。

そして、人は読み方がわからないものは認識することをやめます。難しい言葉はフリガナを併記して伝わりやすくしましょう。

新しい言葉を上手に伝えたい場合に覚えておくと便利なテクニックです。

 

(12)言葉が潜在的に持つイメージ

次は、表現の方法によって相手に与える印象が変わるります。それでは言葉が持つ潜在的なイメージを見ていきましょう。

 

【言葉が持つ潜在的なイメージの例】

漢字の使い方でイメージが変わる表現
  • ありがとうございます → 優しい
  • 有難うございます   → 固い、丁寧
  • よろしくお願いします    → 普通 
  • よろしくお願いいたします  → 硬い、丁寧
  • 宜しくお願い申し上げます  → 古い、とても丁寧
平仮名で書くと同じ言葉でも、漢字の使い方によってイメージが変わります。
 
形容詞、副詞の使い方でイメージが変わる表現
  • すっごく良い  → 大げさ
  • 大変良い    → 上品な感じ
形容詞、副詞の使い方によってもイメージが異なります。 
 
同じ意味でも表現によって品格やレベル感が変わる表現
  • 安い      → 安売りのイメージ
  • 安価      → 安売りのイメージ、少し上品
  • リーズナブル  → もう少し上品
  • お得      → 「リーズナブル」より親近感がある

同じ意味でも表現のバリエーションによって、品格やレベル感を伝えることが可能です。相手に合わせて伝わりやすい言葉を選択します。

 

まとめ

「検索の時代」においては、キーワードが中心となり、全てのものを繋げています。そのキーワードというものは、どういったものなのかを見てきました。キーワードの定義に始まり、位置付け、良いキーワード、そして効果や言葉が持つイメージを確認いただけたかと思います。そして、言葉が変化するように、キーワードもまた様々な状況によって変化します。これからも私たちは新しい言葉や概念を生み出して行くことでしょう。どんなキーワードが生まれてくるか楽しみです。