顧客のタイプとターゲットの特性を分析し、響くキーワードを考える!

前々回の記事「売上はキーワードが決める!問い合わせを増やすプロモーションの極意」では、顧客とのファーストコンタクト(入り口)について検討しました。キーワードを見て、これは良さそうだぞ、と思ってホームページを訪れる。その時に商品に魅力を感じないと簡単に去ってしまう。その間、わずか2秒。一瞬で心をつかむコンテンツが必要となります。どんなに良い商品でも魅力を感じなければ価値はゼロと同じです。口コミで広がるケースもありますが、それは宝くじに当たるような稀なものと考えたほうがいいでしょう。世の中にない、新しいサービスなら別ですが通常そのようなことはありません。そこで今回は、顧客の心のつかみ方について、タイプやターゲットの視点で考えていきたいと思います。

 

1.顧客のタイプを分析する

顧客には様々なタイプがあり、検討や行動のスピードによって購入するタイミングが異なります。そのタイミングで見ていくと顧客のタイプは大きくわけて4つあります。資金や心理状態によってその行動に影響を受けます。このタイミングは個人も企業もほぼ同じと考えてかまいません。

(1)新しいものに飛びつくタイプ

ポイント:資金がある。

新しいものに飛びつくタイプは、前提として失敗しても問題にならないほど資金を潤沢に持っています。言い換えれば「飛びつくことができる環境のあるタイプ」とも言えます。「いいか悪いかわからないから、とりあえず使ってみよう。ダメならダメですぐに結果が出るのでそれ以上時間を浪費することはない。」という考えを持っています。1,000個に投資して、3つ当ればいいというスタンスです。インフルエンサーはこのタイプが多くいます。

 

(2)比較検討タイプ

ポイント:資金が限られており、同じ機能で安いものを選択。

失敗したくない気持ちが強く、評判も確認します。資金は限られています。確証を持ったら購入は比較的早くなります。また、比較検討タイプは資金が限られていることから、同じ機能でより安いものを購入する傾向があります。商品をツールとして使いこなせる人が多いのもこのタイプ。このタイプの要望を反映していくとヒットに繋がりやすい。

 

(3)評論家タイプ

ポイント:知識の保有。資金が少ない。

知識として保有したい願望が強く、商品が欲しいわけではないタイプです。購入には繋がりません。スピーカーにもなりうるが批判者にもなります。世間の評判を解説する傾向が強く、自分が使ってどうだったかという評価は少ない傾向です。マーケティング上では意見を聞く価値がないと位位置付けてよいでしょう。

 

(4)流行したら購入するタイプ

ポイント:知り合いが持っている。

知人やSNSでフォローしている人が持っていると、それが動機付けとなり購入します。商品に思い入れはなく、周りとの話題に入りたいことがトリガーとなっています。

 

買うタイプに絞る プロモーションでは、(1)新しいものに飛びつくタイプ、(2)比較検討タイプを狙うことになります。新しいものに敏感ということは、新商品、新発売ということは当然PRするとして、新規性を持ったプロモーションデザインや見せ方が必要となります。新しいキーワードやキャッチコピーも必要となるでしょう。また、比較検討タイプに対しては、機能とコストの優位性を訴求しなければなりません。ここを想定したキーワードやキャッチコピーを考えます。買うタイプに絞った上で今度はターゲット別にプロモーションを検討します。

 

 

2.ターゲットの特性を見極める

個人であれば年齢、性別、住所などの属性情報を収集し、企業であれば業界、従業員規模、資本金、上場未上場など企業情報をとらえ、ターゲット別にアプローチを考えます。同じ言葉を発信しても、属性や企業によって響き方が異なります。

例えば、10代のサッカー部に所属する男の子なら基本的なニーズは「肉やゲーム」でしょう。同じ10代でも書道部の女子なら基本的なニーズはきれいなもの、かわいいものなどかもしれません。この女子に「肉がっつき放題」というキャッチを見せても響きません。中には肉食系の方もいるかもしれませんが基本的には異なるでしょう。

続いて企業を考えてみると、大手企業と中小企業では役割が違います。大手企業は業界をリードし、コンセプトを作り、それを協力会社を使って実現する。中小は大手の下請けとして協力する。このような場合、大手に部品加工の機械をPRしても響きませんし、中小に大規模な社内管理システムを提案しても意味はありません。

最近ではSNS、電子マネーの購買履歴を使ったマーケティングが主流になりました。最初からデータでストックできるため分析が簡単にできます。ところがこれは表面的な話、もしくは結果であって、理由ではありません。本当のニーズにたどり着くためには、ターゲットの人としての本能に近い部分を情報として押さえておく必要があります。人として自然に出てしまう「欲求」の部分です。これを理解すると心に響くキャッチコピーやキラーワードがしっかりとできるようになります。それではターゲット別に考えるための切り口を見ていきましょう。

 

【ターゲット別に考えるための切り口】

(1)人間としての基本的な欲求を見極める

ポイント:本能的なニーズ。

人間には本能と呼ばれる欲求があります。人間が動物である証です。子供のころから教育を受け、理性によって自分をコントロールすることを習慣化させていきます。年齢や性別、育った環境などによって様々に変化し、行動に影響を及ぼします。具体的にはPRしたい相手を属性によって細分化します。そのカテゴリーごとに「基本的な欲求」をシンプルに考えます。上記のように「とにかく肉」「ゲーム」という具合です。「かわいい」「きれい」などもあるでしょう。

 

(2)企業の風土を見極める

ポイント:風土による意思決定。

企業は人間の集合体です。そこに属する人たちと歴史によって風土が構築されます。この風土が先ほどの本能に近いものとなります。風土はその組織がどのように意思決定をするのか、判断基準は何かというところを形作っています。業界によっても独特の風土があります。また、若い担当はその企業の意思を伝えきれない場合があります。その企業が考えているゴールを風土から推測する視点が不可欠となります。風土は決定のプロセスにも影響を与えています。1回のプレゼンで決めてしまう場合もあれば、半年経過してから連絡がくるような場合もあります。その途中でどのアクションをすれば効果的か検討が必要です。風土によっては何もしないほうがいい場合もあります。

 

(3)資金力を見極める

ポイント:標準の金額。

ターゲットとなる相手の購買力の源泉となる資金力を想定するとプロモーション戦略が立てやすくなります。個人の場合、社会人でお小遣いが月3万円として、500円、1,500円、3,000円が安いと感じる区切りです。年収や世帯構成も参考となります。企業では、100万円以内、システムや制度設計で500万以内というところが予算的に通りやすい金額です。業界ごとにも標準となる金額があります。そこを基準に予測していくことになります。上場企業であればIR情報で売上や利益を確認できますので交渉の材料とすることができます。未上場でも信用情報として取得できるでしょう。予算のヒアリングも当然行います。

 

(4)年齢、性別、エリアは最も基本的な情報

ポイント:基本情報。

個人の場合は、年齢、性別、エリアで特性が異なります。基本的なことですがグループにわけて、ターゲットの特性を分析します。

 

(5)職種により特性が現れるもの

ポイント:職種特性。

企業の場合は、職種による特性が現れます。営業系は自分よりもだめな営業からは買いません。開発系はスペックにこだわります。人事系は最新知識や学者にアンテナを貼っています。コールセンターなどはとにかく人の良さ。販売系は圧倒的な値引き。このように基本的な特性を持っています。

 

(6)ジャンルや業界により特性が現れるもの

ポイント:ジャンル特性。

個人を対象に商売をする際はジャンルの特性が出てきます。洗剤や消臭剤などの消費財は知名度勝負です。最近のシャンプーなどは高級感を前面に出していたりもします。家具はおしゃれさと品揃えとコスト。洋服は良品を安く。ゲームは課金を前提に設計。身近なところではこのような例が上がるでしょう。何の価値にいくら払っているのかをデータとしてとらえておく必要があります。



3.タイプとターゲットを組み合わせて分析し、キーワードを考える。

タイプとターゲットをわけて説明しましたが、実践ではどちらが先でもかまいません。同時に考えることもあるでしょう。下記のような情報まで詰められると理想的です。

 

ターゲットの分析(参考例)
  • タイプ:比較検討タイプ
  • 基本的な欲求:ストレス発散
  • 商品の対象:個人
  • 資金力:お小遣い月3万円、1,500円なら気軽に購入
  • 基本情報:28歳、男性、東京在住
  • 職種:経理事務
  • ジャンル:ゲーム

 

このようにきれいな情報が得られると、「ストレスが発散できる男性向けのゲームを低コストでできることをPRしよう」という考えまで行きつきます。また、これは1人のデータですので、少なくとも3,000件以上のデータが欲しいところです。

続いて販売促進のためのトリガーとなるキーワードを探します。28歳前後の男性がよく使うキーワードを探します。これにはトレンド検索やSNSを活用します。

そして、ストレス発散というキーワードはすでに出ていますので、ここから繋がっているキーワードをさらに探します。運動、ジョギング、トレーニングなどのキーワードが出てくるでしょう。さらにその場所、使用している服や靴など、周辺の趣向を探ります。これを深めていくと価値観が見えていきます。これもある程度の規模感が必要になります。

この場合、響きやすいキーワードは「爽快感」や「超えていく」というようなプラスのイメージとなります。間違っても「ガチャ放題」「S級確定」などではありません。

理由は、この年代は仕事が煮詰まり、将来はこのままでいいのかと考える時期ということが根底にあります。上司からは常に怒られ、努力してもなかなか芽が出ず、ストレスを抱えてしまいやすい、というようなことが、キーワードを探ることで見えてくるでしょう。何かしらの突破口が欲しいと考えています。そこに「爽快感」「突破」というイメージをキーワードやキャッチコピーでもたらします。「ガチャ放題」では響くわけがありません。

 

まとめ

このように、買うタイプと買わないタイプをわけ、人間としての基本的な欲求をベースに、ターゲットごとにマクロで見ていくことによって、精度の高い分析ができます。

また、分析する過程でニーズに適したキーワードがいくつか出てきます。それを使ってブラッシュアップすることで、響くキーワードが出来上がります。分析は大変ですが、苦労した分だけ成果として返ってきますので頑張って考えていきましょう。