キーワードで解決!困った部下はタイプ別に育成する

マネージャーにとっては部下育成は永遠のテーマと言えます。言うことを聞かない部下、指示したことができない部下、反応しない部下、学習しない部下、メンタルヘルスや発達障害など、最近では問題がさらに増えたように感じています。電話に出れないなんてものはかわいいほうでしょう。もし、あなたが上司や先輩となったときにどのように育成したらいいでしょうか。部下の特徴をキーワードで理解し、対応を考えて行きましょう。

 

言うことを聞かない部下

言うことを聞かない部下は「我が強い」ことが特徴です。主張が強く、自分が全て正しいと思っています。プライドが高く、人の意見よりも自分を優先します。

 

育成のキーワード

明確な意見。好きにやらせてみる。次に繋げる。

成功、失敗、どちらになりそうか上司として意見をはっきり伝えることが必要です。自由にやらせてみます。アドバイスの際は答えを教えるのではなく、相談すると良い相手を教えます。そして、成功は褒め、失敗は理由を報告させます。うやむやにしてはいけません。なお、Yes、But法はこのタイプには逆効果となりますので気をつけましょう。

 

 

頑固な部下

頑固な部下は「口頭による指示が苦手」な特徴があります。言うことを聞かない部下と似ていますが、プライドというよりも、自分の知っているものが全てという一本木なタイプです。融通が利きません。このタイプはコミュニケーションが苦手というわけでもないのですが、口頭による指示だけは特に苦手です。

 

育成のキーワード

文字で説明。

このタイプは文章で伝える方法に変えると理解ができます。説明は紙かPDFで渡し、口頭での説明も加えるようにしてください。図は少なめのほうがよいでしょう。しかし、大事なもはメールやSNSで伝えることは避けたほうが良いでしょう。

 

 

主体性のない部下

言われたことしかできない部下が問題となっています。主体性のない行動の主な原因は「考える立場」ではないからです。

 

育成のキーワード

任せる。

戦略構築と部門調整以外の仕事を全て部下に割り振ります。やらせてみて、振り返るプロセスを習慣化させます。上司は間違ったところのフォローとアドバイスに徹します。部下は主体的になるのが必然です。

 

 

納期を守らない部下

納期を守らない部下は「段取り不足」が原因です。納期を逆算する能力が欠けており、前倒しで仕事をしかけていく概念もありません。

 

育成のキーワード

スケジュール管理。

納期までの段取りをスケジュール化させます。毎朝、当日の目標点を確認します。必ず一つはクリアできるように動機付けします。多少の遊び(余裕)は持たせるようにします。

 

 

言われたことができない部下

言われたことができない部下は、指示された内容が「理解できていない」可能性ががあります。主体性のない部下と行動は似ていますが、目的を達成できないところが異なります。

 

育成のキーワード

ゴールを確認させる。

その仕事が完了した状態はどうなっているか質問します。答えられなければ、その仕事はできないでしょう。また、わからなくなってしまった場合はどうするかも質問します。これでほとんどの場合は最後までできる道筋は理解させることができるでしょう。できない場合はメンタルなど他の要因が考えられます。

 

 

優柔普段、ふわふわした部下

これといって特徴がなく、つかみどころのないタイプです。特徴となる「軸がない」ことが特徴です。質問してもあやふやな答えしか返ってきません。隠すつもりもなく、それが普通の状態です。成功したパターンを1つ覚えると、全てそのパターンでやろうとします。気を遣ってコミュニケーションを取っても肩透かしな反応しかないことも多いです。

 

育成のキーワード

パターンを増やす。

難易度の高い仕事を与え、成功のパターンを自分で組み上げさせます。それを繰り返すことにより成功のパターンが増え、どんな場面でも適応する力が身につきます。自然に意思が芽生えてきます。

 

 

やりすぎてしまう部下

がんばりすぎて「からまわり」してしまうタイプです。がんばりは悪くはないのですが、求めているものと違うものを持ってきてしまうことがあります。

 

育成のキーワード

完成イメージの伝達。

その仕事が完成した時のイメージを伝え、自分の言葉で言わせます。言えない場合は、それを完成させるための要素を確認します。要素が見えれば求めている方向に向かいます。

 

 

甘えん坊の部下

常に誰かに相手してもらいたい欲求が高い「かまってちゃん」タイプです。話好きな人のところに近寄っていきます。人から褒められたいので仕事はしっかりやりますが、上司にとっては面倒臭い相手となります。

 

育成のキーワード

笑顔で叱る。

甘えるなと笑顔で言えば、かまってもらえたと感じて満足します。話を止めたい時は飴をあげるのも効果があります。食べるのに夢中になって、それまでの話がどうでもよくなります。

 

 

やる気のない部下

元々、生命力やパワーというようなエネルギッシュな面がないタイプです。一言で言うと「覇気がない」ということになります。ただ、その人にとってはそれがとても普通な状態です。元気出せというような指導はNGです。

 

育成のキーワード

コツコツ。続ける。

同じことをやり続けることが得意な面があります。毎朝、必ず売上、注文数、メールエラーを確認させるなど、勢いで動くメンバーのサポートに向いています。判断する仕事は難しいかもしれません。データサイエンティストなども向いています。

 

 

見るからに心の弱そうな部下

常に何かに怯えているような素振りを見せます。大きな物音やこわもての上司にもびくびくしています。ささいな一言でショックを受けてしまう「打たれ弱い」タイプです。

 

育成のキーワード

安心感。

セーフティな職場であることを伝え、常に笑顔で接するようにします。決して怒ってはいけません。全てプラスの言葉に変換させるよう指導します。マイナスな言葉を発したときだけ、ネガティブな言葉を発したことについて叱るようにしましょう。

 

 

メンタル不全となってしまった部下

メンタルが不調になる原因は「プライベート」に大きなウェイトがあります。次いで仕事についていけず自分を責めてしまう「能力不足」のケースです。それが「ハラスメント」を呼ぶという悪循環に入っていきます。また、「残業時間」が長ければ前述の原因とは別に発生します。

 

育成のキーワード

仕事ができすぎるようにする。

プライベートの問題は職場では解決できません。仕事でメンタルが不調になる根底にあるのが、仕事の不効率です。これは解決できます。時間管理のテクニック、思考のトレーニング、加えてコミュニケーションをトレーニングすると効果がメキメキと出てきます。直接指導するよりも、公開セミナーに参加させるほうが良いでしょう。仕事がテキパキとできるようになると面白くてたまらなくなります。仕事へのやりがいがプライベートの問題もやわらげてくれます。

 

 

発達障害の部下

発達障害の特徴は「言われたことができない」ということが表出します。昔は上司や先輩に怒鳴られ、パワハラも受けつつ仕事を覚えました。それによってよくもわるくも発達障害のような行動は矯正されて治っていました。今は病気と言える時代です。ハラスメントもNGです。

 

育成のキーワード

メモ。段取り。自己確認。

このタイプは仕事の指示書を渡すとその通りにできます。口頭はNGです。しかし、上司はいちいち指示書を作っていられません。本人に指示書と同じものを作らせます。メモを取らせ、まとめたものを報告させます。面倒ですがこのステップが必要です。次に項目ごとに納期を設定させます。これも一旦まとめさせ、確認します。毎朝、進捗を書面で提出させます。自分で段取りし、自分で確認する習慣を身に付けさせます。早ければ3ヶ月で効果が出るでしょう。

 

様々な問題がありますが、決して解決できないことではありません。育成にはコツがありますので、部下の様子をよく確認して対処していくようにしましょう。

 

 

お手上げパターン

どのような育成方法を試みてもいい方向に育たない部下のタイプがあります。企業に向かないタイプです。他の仕事では活躍できるのでそちらの方向に進むことが幸せです。

 

おしゃべりな部下

職場で1日中ずっと誰かに話しかけている部下がいます。周りの仕事を止めてしまうので迷惑となります。話すことが「生きる宿命」のようなもののため基本的には治りません。

留意点

注意してもすぐに忘れます。上司がいないときはおしゃべり放題です。これは生まれながらのものなので対処不能です。話をよく聞く、叱る、対応方法を一緒に考える、顧客の思いを伝える、組織の存在意義を伝える、周りへの配慮、エモーショナルな接し方、工夫を繰り返して言い続けても3分後に忘れています。指導する方が悲しくなります。商店街の接客業には向いていますが、企業向きではありません。本人がそれに気づくのを待つしかありません。

 

 

屁理屈が多い部下

 基本的には学習熱心なタイプ。しかし、実践がともなっていません。「知識を見せたい」「優秀に見られたい」ことが優先し、現場との微調整が上手くいかないことが目立ちます。

留意点

屁理屈や理論に傾注するタイプは、話しているうちに論点がずれていきます。激高するか泣き出すか、とにかく自分の考えを曲げられることを嫌います。これも治る類のものではありません。論点ずれたらそこを指摘して話を戻します。なぜかこれには反論が出ません。しかし、論理が違うことを指摘すると怒り出します。不思議です。このタイプも企業には向きません。アナリストやデイトレーダーなどが向いています。

 

 

くどい部下

情報の優先順位がないのではなく、「全て大事」だと思っているタイプです。資料を作れば全ての情報や理由を入れようとします。説明にまとまりがなく、くどくなります。

留意点

フォーマットを用意して、必要以上に文字数を増やさないように説明しても、補足資料を5ページに渡って用意するなってことがざらです。会議で意見を求めれば10分以上話し続けるなんてこともよくあります。誰かが割って入らせない技術を天然で持ち合わせています。資料は事前に確認し、大掛かりな修正を入れることを前提を依頼します。会議では何がなんでも割って入る心構えが必要です。

 

 

遅刻が多い部下

寝る時間が遅いため朝は早く起きられません。個人の行動の自由があるため指導しにくい部分です。早く寝ろと言っても、こういうタイプはストレス解消のため、夜中まで遊んでしまうことがあります。目覚ましを3個以上用意してもあまり効果が高まりません。

留意点

ストレスの原因が上司にある可能性が高く、解決は難しいでしょう。細かいことを言うのを止め、本人の技量に仕事を任せてみることが有効な可能性はあります。やりがいが生まれれば仕事への姿勢も変わるでしょう。

 

 

出社しない部下

元々、組織という枠組みに合わない「自由に生きたい」タイプです。お金をもらいただけで会社に入ったのでしょう。

留意点

本当にやりたいことは何かを聞きます。会社とは別の生き方を自分で気づいてもらいます。決してこちらから別の道を促してはいけません。

 

 

どんなに困った部下も上司が本気で熱意を持って接していればいつかは変わります。部下が有意義な人生を送ることができるように「生き方」を示していくことが人生の先輩としての役割です。お手上げな面はありますが、自分の部下でいる間はしっかりと接していきましょう。

 

これからの部下育成

キーワードは「高速化」「概念設計」

AI、IoT、5G、テレワークなど高速通信網がさらに加速し、どこでも、誰とでも仕事ができるようになりました。もうすぐ人間はAIにはかなわない時代が来ます。それをただ眺めているわけにもいきません。人間もバージョンアップすべきです。その方向性は、思考の高速化と概念設計能力の強化です。これだけはAIがどんなに優れていても到達できないでしょう。擬似的なものはできますが、人間の判断とは大きく異なります。温かい血が流れているかどうかも影響があるのでしょう。言い換えればパッションの部分です。これが時代と共に重なっていき、人間のなかに新たな反応をもたらします。これはAIでは予測できません。人間の温かみと複雑なものを論理的に考える力とそれを組み立てる力があれば、さらに世の中に役立つものや面白いものがたくさん生まれてくるはずです。

思考を鍛える方法は様々なものがありますが、高速化という観点からもキーワードで思考する方法が有用です。少ない文字量で、多くの情報を伝達できるからです。脳のシナプスも光ファイバーと同様に扱える情報量は限られています。効率的に情報を伝えることによって、考える時間と考える量を増やします。これによって脳の高速化が図られます。

また、考えたものを概念にまとめる力が身に付けば付加価値の高い商品やサービスを生み出せます。高速化された脳を使って新しい概念を連続的に生み出していくことが可能です。まだまだ人間は成長していけると思うと楽しみですね。