キーワードからキラーワードへバージョンアップする!

プロモーション(販売促進)において、キーワードやキャッチコピーは命です。直接セールスに結びつくものであり、たった一言で1億円を売り上げることもあります。それはキラーワードとも呼ばれ、一言、二言で購入を決めてしまう魔法のような言葉でもあります。

顧客が入念に調べる行動は、いいものを探すというよりも、自分のインスプレーション(直感)に間違いがないかを確認しているに過ぎません。心理状態を見るとフローで見ると下記のようになります。

 

顧客の購入までの心理状態

キーワードやキャッチコピーを見て「良さそう」

内容を調べて「これなら大丈夫」

よし購入しよう 

 

この状態をたった一言で作り上げてしまうものがキラーワードです。

 

(1)キラーワードが使える場面

まず、キラーワードが使える場面を見ていきましょう。営業場面が特に多いのではないでしょうか。また、販売促進ツールのキャッチコピーとしても有用です。

 

営業場面
  • 飛び込み営業のファーストコンタクト
  • 新商品の紹介の一言目
  • テレアポの一言目
  • メールの最後の締めくくり

 

販売促進ツール
  • DMやパンフレットのアイキャッチ
  • ホームページのキャッチコピー
  • リスティング広告のキャッチコピー

 

(2)キーワードとキラーワードの違い

キーワード、キャッチコピー、キラーワードは3つとも本質は同じです。誰かの理解、行動に影響を与えようとするものです。用途と強度が異なります。パワーワード、スローガンの違いもあわせて見ていきましょう。

 

用途の違い
  • キーワード
    主に単語です。何かを探したり、伝えたりするための言葉です。
  • キャッチコピー
    単語やフレーズ、主に宣伝に使用します。
  • キラーワード
    行動を促進する強力なキーワードやキャッチコピーです。
  • パワーワード
    クリーンやダーティな表現を問わず、強力なキーワードやフレーズです。悪い印象となることもあります。
  • スローガン
    集団に共通の行動を促すキーワードやフレーズです。

キラーワードはキーワードやキャッチコピーよりも影響が強く、ニーズに深く届く言葉ということになります。 

 

(3)一言か10の言葉か

それでは「たった一言のキラーワード」と「多数の言葉を並べた説明」を考えていきましょう。

 

キラーワード

たった一言ですが、その一言を表すために、背景や思いを込めて作ります。あらゆるシチュエーションを想定して考えます。場所はどこか、朝か昼かそれとも夜か、季節はいつか、男か女か、周りに誰がいるか、物語はどうなっているか。これらを「入念に考えて作られた一言」は10の言葉、100の言葉よりも圧倒的に存在感を持ちます。

 

多数の言葉

良い言葉でも多くの言葉を横並びにしてしまうとその価値は平坦になってしまいます。例として保湿クリームの説明を見てみましょう。

「このクリームを使うと肌がスベスベになり、しっとりして、それでいてベタベタしない。匂いは甘く、ちょうど良い強さ。それでいて香りは長く続く。持ち運びに便利な手のひらサイズ。入物のデザインは高級感がありつつ、誰が持っても違和感がない。価格も手頃。」

 

説明が長くなるほど、強み同士が打ち消し合います。平坦な印象になっていくのがわかるかと思います。そして競合他社もこれとだいたい同じような説明になり、差別化が難しくなります。これを見た顧客が欲しくなるかどうか想像すると疑問が残ります。

 

長い文章が悪いというわけではないのですが、印象に残り、良さを理解してもらうためには、キーワードや短いキャッチコピーがより有用です。

顧客は基本的に明確な欲求を持っていません。「きっとこう使ったら良くなるんだろうな」ぐらいのものです。キーワードやキャッチコピーは顧客がおぼろげに求めているものを明確にしてくれる効果があります。インパクトのある言葉やニーズの真ん中にある言葉を見たり、聞いたりすると「やっぱりそうか」と初めて気がつきます。この商品であれば自分の求めているものが達成できるということがわかると購入につながります。

 

(3)キラーワードを作る

では、実際にキラーワードの作り方を確認していきましょう。ポイントは3つです。

 

キラーワードを作るポイント
  • 一言に込める思いをビジュアルでイメージする。
  • 言葉を見た時に憧れや喜びを感じる姿をイメージする。
  • 商品の価値が伝わる一言になっているか確認する。

 

イメージできなければ、それはキラーワードになっていません。人は目的を達成する姿を頭の中で想像しないと納得しないためです。自分がイメージできなければ他の人は尚更イメージできません。

ビジュアルをイメージする際はテレビCMを作る気持ちで想像するとよいでしょう。ストーリーがスムーズに浮かんできます。思わず笑顔やウキウキするような気持ちになったのならば、それはよく伝わるものとなります。

 

次にテクニックの面からキラーワードを見ていきましょう。 

 

キラーワードを作るテクニック
  • 体言止め(例:スケジュールを管理、会議の調整)
  • 用言止め(例:する、した、のようだ)
  • 形容詞を上手く使う(美しい、大きい、高い)

 

体言止めによって言葉を止めると、言葉自体が力強く伝わります。
用言止めでは「〜する!」というような表現を使うと意思の強さが伝わります。
そして、形容詞によって程度を伝えることができます。

箇条書きする場合は、通常「体言止め」か「用言止め」のどちらかにそろえることが必要です。しかし、キラーワードの場合、両方を上手く組み合わせて使わないとエモーショナルに思いを伝えられないことがあります。ビジネス文章とは異なるため、基本はあれど表現は自由です。ルールに縛られずより良い表現方法を工夫していきましょう。

 

(4)キラーワードにならないもの

キャッチコピーとしては使える可能性があるものの、キラーワードと言えるほど強くならない場合があります。その理由を確認していきましょう。

 

キラーワードにならないもの
  • 疑問系
    問いかけは自信がないように見える。そのため伝える力が弱まる。
    (例:問題点はなんですか?、困りごと解決したくないですか?)
    だましによく使われる。欲しくもないものを必要だと感じさせてしまう。
  • 軽い言葉
    あまり考えていない言葉はそのいい加減さがよく伝わる。
    (例:いいじゃん。これ最高です。)
  • モノマネ
    CM、お笑い芸人の決め台詞、4文字熟語などを真似したものは、あまり考えていないと思われる。場合によっては考える力のない人と思われる。

 

(5)キラーワードの注意点

キラーワードを作るにあたり、いくつかの注意点があります。ターゲットの視点、効かないタイプ、有効な範囲を確認していきましょう。

 

・ターゲットによってキラーワードは異なる

顧客となるターゲットの年代、性別、エリアによって価値観は異なります。当然として響く言葉も違います。ターゲットを細分化し、それぞれニーズを書き出し、アピールする軸を決める必要があります。

 

・スペック重視タイプにはキラーワードが効かない

スペックを重視するタイプは本質をあまり見ません。この場合、スペック表や比較表が有効となります。表とデータを並べ、キーワードをちりばめて見せていくことのほうが有用です。

 

・キラーワードが有効な範囲

キラーワードと言えども万能ではありません。ニーズが根底にある場合に限られます。少しだけ背中を押してあげるだけの言葉にすぎません。 そこに上手くはまるように試行錯誤します。

 

まとめ

人の心を言葉でコントロールできるような書籍がありますが、あれは嘘です。人間はちゃんと考えることのできる頭を持っています。だましなどのやり口は「思考停止」にさせて、考えることを放棄させることにあります。考え続けていればだまされることはありません。

キラーワードは背中を押す効果しかありません。どちらかといえば応援です。それをよく踏まえて誠実な言葉を選びましょう。そうすれば商品やサービスの良さを正しく伝えることができます。ブランド力の向上にもつながっていくことでしょう。