日本企業は「投資への知識」と「結論を導く力」が不足している。キーワードで直感・センスを磨き、新しい時代を乗り越える。

企業が活動する中で必ず2つの大きな問題に直面します。ひとつは費用、もうひとつは結論についてです。日本企業は内部留保を溜め込み、潰れないように努力しています。しかし、今回のコロナ禍で明暗がわかれました。時代を読み、投資を続けていた企業は売上を伸ばしました。一方で既存の製品にどっぷり依存していた企業は売上が蒸発、70〜90%減少するなど悲惨な状態になっています。これらは投資や費用に関する知識が不足していることが原因でしょう。また、日本企業には変な合意形成の風習があります。無難なところでまとめるというものです。議論のなかで考え抜くというよりは、会議で出た意見を丸く収めるというものです。そこには市場の声が入る余地はありません。

 

1.費用についての問題

日本企業は保守的です。会社が潰れないように内部留保を溜め込みます。一方で開発や研究にはほとんど費用を使いません。たまに思いつきで新規事業を始めて失敗します。ところが社員からの提案には、経営者は難色を示します。何人かの経営者にインタビューをしていると、声には出しませんが、自分よりも優秀なプランをだされると立場がなくなる、ということを危惧しています。これは自分がビジネスモデルを成功させた経験がないことに起因します。サラリーマン経営者の弊害とも言えます。成功したことがない、立場が大事、失敗したくないという3大願望が企業の成長を止めています。ちなみにこの3大願望、20代前半の若手社員と同じですね。

 

解決の方法としては、投資に対する正しい知識を持つことです。費用の問題は投資を募ることで解決できます。上場やクラウドファンディングなど、銀行からの借入以外にも有利な方法が増えています。新規事業に関する補助金もあります。補助金は政府の積極的な導入促進もあり、上場と比べると使いやすくなっています。

ところが、先ほども述べたように日本企業は基本的に「守り」です。稼いだ範囲の中で、なんとかやりくりしたいという意識が強いようです。それではいつまで経っても成長へのグリップをしかけられません。その点、投資を募る場合は、失敗しても返す必要がありません。プレッシャーはありますが、費用の面ではリスクが少ないと言えます。

 

2.結論が出せない理由、考え方についての問題

よく経営層は決断が遅いと言われます。新聞は読むものの、ITにとにかく弱く、昔に得た知識の中で立場を死守したい。◯芝、シャー◯を見ていればよくわかるでしょう。ずるずると結論を先延ばしにした結果、身売りするしかなくなりました。合意制でありながら出た意見をまとめるだけの「作業としての会議」、「経営者の心理的な立場を保守」するためのトップダウンなど、どうしょもないものが横行しています。

ただ、経営者の立場から見れば、お金を出すのは自分なのだから、自分の考えの範囲でやってほしいというのも納得がいきます。ところが不思議なことに、お金を出すのだから「儲けよう」という人が非常に少ないように思えます。サラリーマン経営者は一様に「社員の生活を守る」と話します。残念ながら今回のコロナ禍で守れないことがよくわかったでしょう。儲けを出さなければ守るどころではありません。

 

やはり、まず最初に「儲ける」ということを出発点にしなければなりません。注意点としては、顧客ニーズに応えて儲けるということです。そうしないと◯芝、シャー◯になりますからね。

 

続いて、結論が出せない理由を能力の面から見てみましょう。

一言で言えば「判断力のなさ」です。

 

判断力を要素に分解してみると以下の通りです。

判断力を構成する要素
  • 知識
  • 知恵
  • 情報を認識する力
  • 情報を整理する力
  • 結果を予測する力
  • 結果を分岐させる力

 

これらの能力が不足していると、いくら考え続けても結論が出ません。

 

また、結論を出すということは、芸術にも近い一面を持っています。誰も見たこともない景色を描いたり、見ただけで涙が出てしまうものや、反対になんとも感じないものができてしまうこともあるでしょう。表現によって結果が大きく変わります。そして、どんな方法でも決めてしまえばそれが結論です。よく調べもせず、思いつきで「こうします」と決めてしまえばそれが結論となります。運良く結果が伴う場合もあれば、そうでない場合もあります。そのため「結論」というものは直感やセンスによって大きく影響を受けるものとも言えます。

 

直感

直感は実は感覚的なものではありません。経験則、知識の蓄積から、何かを学習し、そこに当てはまったときに感じるものです。ただ、元となるデータベースと外部からの情報がつながったことを意識化できていない状態です。直感が当たると言われる理由は、この経験則や知識を元にしているからです。直感が外れる理由は、過去に経験したことや知識がないことに対して、過去の体験や知識を当てはめて判断したためです。直感が当たる理由を脳内のデータベースと紐づけること、これを意識化することによって、瞬時に判断する力が高まります。

 

発見・ひらめき

発見とは、見たもの、学んだものなどから「法則に気づく」ということです。万有引力の法則がまさにそれです。

ひらめきは、ある日突然起こります。起こそうと思っても起きません。発見により「法則」に気づき、「他の用途に転用」できることに気づいたときに起こります。

過去の経験=データベースが多ければその確率が高くなり、同様に体験の積み重ねの結果である「条件反射」に対する理解も法則を気づく確率を高めます。

 

キーワードで直感・センスを鍛える

日本人は昔から言葉遊びが好きな民族です。俳句、川柳、だじゃれ、流行語など、言葉を進化させてきました。情報量が少ないうちはじっくり考えることでも問題はありません。ところが、現代のようにネットで情報が大量に収集できる時代では、人が扱える量を軽く超えています。前述の判断力の要素を実行するにあたっては、その量の多さによって阻害されることでしょう。

そこで、キーワードでシンプルに考えることによって、情報量を圧縮し、思考スピードを高めます。複雑な問題もキーワードで考えることによって、単純化され、本質がつかめます。これによって大量の情報が扱えるようになり、判断に必要な知識や知恵の習得、法則を発見できる量が増えます。量が増えれば、直感やセンスの向上に繋がります。

 

まとめ

新しい時代を乗り越えるためにも、経営の根幹である「儲ける」ということ、「投資」への考え方を知るということ、「結論」を導く能力を得るということが極めて重要となっています。攻めは最大の防御なりということです。