コロナ禍の中で営業方法を考える。キーワードは「チームの再構築」と「利便性の伝達」

コロナウィルスにより、人との接触が8割削減されているなかでどのように営業をしていけばいいでしょうか。ゴールデンウィークの間に今後のあり方を一緒に考えていきましょう。

テレワークで営業電話をかける。自分の家で顧客に電話をかけて商談し、売り込みをかける。日頃から携帯やスマートフォンで電話をかけていれば問題ありませんが、そうでない人は精神的に辛いに違いありません。と言ってもこれは慣れるしかありません。10日もすれば何も気にならなくなるでしょう。しかし、顧客側もテレワークのため電話に出れないということが予測されます。顧客との接点はメールが中心とならざるを得ません。

また、これまでの違いといえば1人に連絡が集中してしまうことです。組織であれば電話やメールの連絡は他の社員も対応してくれます。ところがテレワークが進むと、これまで事務担当でも対応が可能であった些細な問い合わせも営業担当に入るようになります。「今日注文したらいつとどきますか」「この商品は何個入りですか」というような誰でも返答できる内容であってもです。

売れている商品だと1分置きに連絡が来ます。スマートフォンは鳴りっぱなしになります。既存顧客からコロナの対応について、質問メールもひっきりなし送られてくるでしょう。「開業時間は何時からでしょうか」「急にお願いしても大丈夫ですか」というようなものです。この返答をするためにメールを書くだけでも、社名、名前、挨拶1行、問い合わせのお礼、要件への返事、文末の挨拶を書くだけで3分はかかります。内容が重いものであれば1時間かけて書き、上司に下書きを送り確認してもらう必要があります。返事をもらってから顧客に送信するこのプロセスが発生します。1件なら気にすることもないが、10件を超えてくると負担は大きくなります。上司との距離も離れているため、対面と比べて確認の時間が増えます。上司に電話をすれば永遠に話し中。職場で2~3時間同じ相手と話している姿を何度も見たことを思い出されることでしょう。

仕組みの整っていない企業はテレワークによって仕事の効率は10分の1まで落ちます。営業で新規開拓をするどころではなくなってしまいます。さらに、顧客もそれどころではないため、特需品を除き新しい商品やサービスを導入するなんて面倒なことはしないでしょう。

 

テレワークの環境でチームを構築する

このような環境下で最初に考えるべきことは「営業ができる体制」を整えることです。テレワークによって組織は間違いなく崩壊します。これを再構築しなければいけません。すなわち「チームを作らなければならない」ということになります

営業、カスタマーサポート、サービスエンジニアが連携できる状態を作ります。これが整備できなければ、新規開拓のため顧客リストすら自分でゼロから探すなどという効率が悪い状態となります。単に顧客情報を共有できればいい、顧客を見つけるのが営業の仕事と考えている経営者も多いようですが、これまでとは違い効率が非常に悪くなることに気づいて欲しいところです。これに気づけるかどうかによって半年後、1年後の業績や組織体制は変わってきます。気がつかなれば負け組一直線です。

この課題を超えていくためには「リアルタイムに情報を共有できるシステム」が必須となります。常に画面のトップにタイムラインがリアルタイムに流れていき、誰かが即答できる体制がチーム作りの支えです。それでは具体的に必要な内容を見ていきましょう。

 

問い合わせのリアルタイム共有

・顧客からの問い合わせが即座にタイムラインで流れるものが理想です。

・音声認識によりテキストに変換できるものがあればよりよいでしょう。

・チャットボット対応は必須となります。

 

報・連・相のリアルタイム共有

上記の問い合わせのリアルタイム共有と併せて、報・連・相をできるチャットの場が必要です。すべての案件に上司が個別対応していたのでは対応は不可能です。問い合わせ対応とリンクした相談をリアルタイムで確認し、チームで対応していく体制をチャットと組み合わせて構築すべきです。

 

モニターが2台という環境

テレワーク用にモニターを2つ用意できた企業はいずれ勝ち組になっていきます。作業用の画面と情報共有用の画面があることをイメージしてみてください。文字とデータだけですが、職場と同様の機能をたった2つの画面で実現できます。もちろん先に述べたリアルタイム共有が前提となります。

 

高速通信と高性能PC

5Gとまでは行かなくてかまいませんが、画像など大容量のデータでも快適に通信できる環境は欲しいところです。プレゼン資料を送信するのに2時間もかかっていたらメールすらできません。また、同様に処理速度はある程度のスピードがあるPCが必要でしょう。すでにPCの買い替え需要は高まっており、品薄が続いています。早めに手を打ちましょう。

 

音声の共有

職場にもよりますが、常に全員の会話が聞こえる状態にしておくことも検討してみるとよいでしょう。特に意識の高い職場ではおすすめいたします。反対に経営者が信頼されていない職場ではやめたほうがいいでしょう。

 

顧客情報と個人情報の管理

基本的な顧客情報はクラウド運用に移行は企業間の話のため、適切に対応すればハードルは高くはないでしょう。しかし、個人ユーザーの情報を取り扱う企業において、これからクラウド化するということになるとハードルは非常に高いと考えたほうがいいでしょう。この緊急事態の中でセキュリティを確保するための施策を打てるとは思えません。ただ、視点を変えればいくらでも対応は可能となります。「個人情報を扱わず、個人情報を扱う」ということです。これはセキュリティのしっかりしている企業に運用を任せるということで対応が可能です。難色を示す経営者ではこの波は乗り越えられないことでしょう。

 

費用をどうするか

国が財政出動を決めましたのでそれを利用しつつ、助成金も活用しましょう。早めに銀行に相談できなかった企業も引き続きアクションを取りましょう。

 

休業すべきか

特需品を扱う企業以外は休業も選択肢に入れるべきです。企業の運営費には電気、ガス、水道などコストが常にかかっています。なによりも従業員の命の安全を最優先にすべきです。

 

あらゆる手を打って、チームとして活動できる状態に到達するのにも時間がかかります。ただ、ここまで来れればようやく攻めに 転じることも可能です。

 

営業の概念を変える

次に、その間に営業として何をすべきかについて考えていきたいと思います。プロモーションはわずかに残っていたDMや飛び込み営業も完全にネットに移行します。非接触のなかでコンタクトポイントを探らなければなりません。これからの営業は「利便性の伝達」というキーワードを提案したいと考えます。今もオウンドメディアなど使い方を説明する動画や記事がありますが、これぶ近い視点で売っていくということになります。

 

コンテンツを再構築する

商品のセールスポイントを3つの媒体にまとめていく必要があります。まず、「動画」です。ビジュアルにかなう情報伝達の方法はありません。次に「記事」です。使い方、メリット、事例を文字情報でまとめて言葉で伝えていく方法です。LPやSNSが主体となります。そして、「ダウンロード」です。動画や記事で見た情報をコンパクトにまとめ、必要な情報が顧客の手元にある状態を作ることです。

いきなり外注することはお勧めしません。まずは自分たちでコンテンツを作成し、プロトタイプを作るべきです。ポイントを理解した上で質をあげるために外注を考えていくことが重要です。

 

プロモーションを再構築する

コンテンツが再構築できた後は、プロモーションの流れを再構築します。導入の経路がこれまでと変わっていることを気づいているとは思いますが、それをデータとして確認します。SEO対策も変化せざるを得ないでしょう。これは未開の地を開拓することに似ています。そのときにすべきことは「ネットを張る」ということです。これまでは1つの正解を探して、確証が取れたところに注力するやり方だったと思います。今は正解がなくなってしまいました。自分たちで正解を作らなければいけません。情報発信のルートを複数見て、データを取りながらより効果と効率の高いところを見極めていくことになります。正しいデータを取るためにも、先に用意したコンテンツが効いてくることになります。

 

コンテンツとチャットのみで購入が決まる

非接触の時代になると100万円を超える高額商品でもコンテンツとチャットのみで商品の購入が決まるケースが出てきます。皆さんもよく使うネット通販と同じ感覚です。私自身もパンフレットにコメントを一言添えるだけで500万円の商品を何本も売ったことがあります。商品の魅力を正しく伝えることができればそれが可能となります。

 

志をもって投資する

この非常時に収益よりも無料で使ってもらうことを優先している企業をたくさん見ていることだと思います。経営者の志によるものでしょう。数年後何倍にもなって帰ってきます。最初からこれを狙ってやることは心苦しいかもしれませんが社会は助け合いです。志をもってやっていけば問題ないでしょう。ちゃんと顧客は見てくれています。誠心誠意取り組めば結果はいずれついてきます。

 

商談はまだ電話が優位

商談はWEB会議システムを使ってもいいと思いますが、今はまだ電話のほうがいいでしょう。それは言葉がはっきり伝わるという点で電話のほうが優位だからです。プレゼン資料はページを伝えればいいだけなのでWEB会議システムとなんら変わりません。WEB会議システムがテレビ電話のようにコール後すぐに画像が出るようになったときが完全に移行すべき時期となるでしょう。

 

まとめ

コロナウィルスの影響によってビジネスは大きく変わります。その先を予測し、自社のあり方を真剣に考えなければなりません。「非接触」の環境でどのような姿が理想的なものになるかをイメージしながら、今後のあり方を検討していっていただきたいと思います。人間の知恵と工夫を総動員してコロナに絶対勝ちましょう。